Senchaブラウザ調査報告
こんにちは、ゼノフィnakamuraです。
6月にSenchaコミュニティから開発者450人に対して、彼らは現在どのブラウザを利用しているか、アプリケーションでどのブラウザをサポートしているか、それと将来のブラウザサポートプランは何かについて調査しました。調査した開発者は95%以上Ext JSを利用していて、ビジネスアプリケーションを開発していました。これはビジネスから社員へ、ビジネスからビジネスへ、ビジネスから消費者へのアプリケーションで分割します。
コミュニティユーザーをベースにモダンブラウザの導入と使用状況を推定し、今後3年間で、レガシーブラウザの永続性に対する予想を把握したいと思います。SenchaではレガシーブラウザはIE6、7、8、Firefox 4とそれ以下、Chrome 5とそれ以下、Safari 4とそれ以下と考えています。IE、Firefox、Chrome、Safariはモダンブラウザと考えています。レガシーブラウザ(特にIE)はJavaScriptエンジンとDOMアクセスが遅く、HTML5機能の提供も低く、ユーザーがウイルスに攻撃されやすいセキュリティの弱点もあります。これが調査の結果です:
主な調査結果:
1) 開発者が選ぶ個人のブラウジング用のブラウザ
Sencha開発者コミュニティの大半(83%以上)は個人的なWebサーフィンを行う時にChromeまたはFirefoxを利用し、自動アップデートがオンにされているか、または新しいバージョンが公開されたら手動でブラウザをアップデートしています。
ブラウザ自体が自動アップデートをサポートしていない場合でも、ほとんどの開発者は改善されたブラウザを体験するために最新バージョンに手動でインストールしています。
しかし、回答者の6%は彼らの組織のITポリシーのためか、特定の古いバージョンを利用する必要があると回答しました。
2) 開発者が選ぶ開発プラットフォーム
他のブラウザでサポートされる必要がある場合でも、開発者の大半(77%以上)は開発用の主要ブラウザとしてChromeまたはFirefoxを利用しています。この理由はChromeとFirefoxの上質なデバッグツール(Chrome Developer Tools、Firebug)があるからだと思います。
3) 開発者の意識・エンドユーザーに対する認識
開発者は通常、エンドユーザは自動アップデートしていると思っていないし、またエンドユーザがブラウザのバージョンを自分でアップデートしているとは思っていません。開発者の大半は現在のエンドユーザがレガシーブラウザを利用していると報告しました。
エンドユーザが今後12ヶ月以内に自動アップデートしているか、またはそのままレガシーブラウザを利用しているかを質問してみると統計はほぼ同じでした。
これはエンドユーザがシステムに与える制御レベルによるものである可能性がある。繰り返しになりますが、ITポリシーに起因しているのかもしれません。
4) ブラウザサポートプラン (現在から2015年まで)
表1:現在、開発され利用されているExt JSアプリケーション
2015年にサポートする | 来年サポートを止める (2014年) |
今年サポートを止める (2013年) |
現在サポートしていません | |
---|---|---|---|---|
レガシーブラウザ | ||||
IE6 | 9% | 7% | 8% | 76% |
IE7 | 17% | 13% | 15% | 55% |
IE8 | 39% | 21% | 16% | 24% |
Safari 4 | 7% | 8% | 12% | 73% |
Firefox 3 & 4 | 9% | 10% | 14% | 68% |
Chrome 1-5 | 9% | 9% | 11% | 71% |
モダンブラウザ | ||||
IE9 | 67% | 13% | 7% | 14% |
IE10 | 83% | 4% | 3% | 9% |
Safari 5 | 21% | 13% | 10% | 57% |
Safari 6 | 60% | 5% | 3% | 32% |
Firefox 5-16 | 30% | 20% | 14% | 35% |
Firefox Latest (17) | 84% | 4% | 3% | 9% |
Chrome 6-26 | 34% | 19% | 12% | 36% |
Chrome Latest (27) | 85% | 3% | 2% | 10% |
Opera 10 | 14% | 11% | 9% | 66% |
Opera 11+ | 42% | 3% | 2% | 54% |
図2:現在開発中のExt JSアプリケーション
2014年までサポート | 2014年でサポート停止 | 2013年でサポート停止 | 現在サポートしていない | |
---|---|---|---|---|
レガシーブラウザ | ||||
IE6 | 8% | 6% | 8% | 78% |
IE7 | 17% | 13% | 15% | 55% |
IE8 | 41% | 20% | 17% | 22% |
Safari 4 | 8% | 10% | 9% | 73% |
Firefox 3 & 4 | 10% | 7% | 14% | 68% |
Chrome 1–5 | 8% | 9% | 9% | 73% |
モダンブラウザ | ||||
IE9 | 74% | 11% | 5% | 9% |
IE10 | 87% | 2% | 4% | 7% |
Safari 5 | 26% | 12% | 9% | 53% |
Safari 6 | 64% | 4% | 3% | 29% |
Firefox 5–16 | 29% | 21% | 15% | 35% |
Firefox Latest (17) | 87% | 3% | 3% | 8% |
Chrome 6-26 | 38% | 19% | 12% | 32% |
Chrome Latest (27) | 88% | 2% | 2% | 8% |
Opera 10 | 19% | 10% | 6% | 65% |
Opera 11+ | 45% | 1% | 4% | 51% |
現在のアプリケーションと、現在開発中のアプリケーションに対して、IE 8は2014年もしくはそれ以降にもサポートされています。圧倒的多数(59%)でIE 8のサポートがプロジェクトにきわめて重要で、また開発プランにもとても重要だと示しています。
表1からわかるように、モダンブラウザについて、最新のバージョンではないSafari 5、Firefox 5-16、Chrome 6-26、Opera 10はあまりサポートが必要ではないとするプラン(もしくは想定)がすでに存在しています。言い換えると、モダンブラウザに対しては、すでに自動アップデート機能に従って、モダンブラウザをすでに利用しているユーザーは自動アップデート機能が有効状態になっていると開発者は確信しています。
モダンブラウザの最新自動アップデートにアプリケーションをサポートしてない開発者のサブセットがあることを注意して下さい。それとSafariは一般的にサポートされていません。
結論
全員はレガシーブラウザのレガシーサポートを停止したいですが、ビジネスアプリケーション開発者にとって、IE 8の対応を続ける必要性はしばらく続くことは明らかです。この時点では、2016年にエンタープライズアプリケーション開発者が初めてIE8対応を停止することになりそうです。この状況を変えられるのは世界中のIT部門がモダンブラウザにアップグレードするか、自動アップデートに全体的に切り替えることです。IT部門のほとんどが昔からアプリケーション生産をブラウザの指定されたバージョンに対して承認される行動を前提で考えると、この可能性はおそらく低いです。
最後に、時間を割いてこの調査にお答え頂いた開発者にお礼を申し上げます。この結果が役に立って、良い情報であれば嬉しいです。